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うちの図書室のシステムから、自分の次に予約が入っていることは貸出システムを見ればわかる。
でも貸出システムからじゃあ、誰が目的の本を借りようとしているかまでは、見られないはずだ。
それでも……。
私の前に借りたなら、私の手元にあるラブレターをしのばせることも可能だよね……?
予約の本は、基本的に図書室内の本棚に戻ることなくカウンター保管になっているらしいから、浜松くんは可能性としてあり得る気がする。
鎌谷くんよりは話しかけやすいし、浜松くんに聞くだけ聞いてみよう!
「ねぇ、浜松くん!」
「……おお?」
思っていた以上に語気が強くなってしまって、浜松くんが身構えたのがわかった。
でもそんなことが、とても些細なことのように心臓がバックンバックン音を立てている。
「本を返すとき、何か一緒に挟んだでしょ」
「え……? いや、俺は何も挟んでないし、何も挟まってなかったぞ」
自分としては発破をかけたつもりだった。
だけど、浜松くんは頭の上ではてなを浮かべているように見える。
明らかに心当たりがないのであろう反応から、どうやら彼ではないようだ。
がっかりしたような、けれども浜松くんには失礼だけど違って良かったと思った。
「何か挟まってた?」
「ううん。何でもないの、ありがとう」
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