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そういうことは、このラブレターが挟まれたのは浜松くんが本を返した後のことなのだろう。
ってことは、やっぱり図書委員の鎌谷くん……?
とりあえず、思い当たる候補者が一人消えて、一応可能性の捨てきれない彼の方へ視線を向ける。
鎌谷くんは今は次の授業の予習でもしているのか、机で何かノートに書いている。
そんな姿さえ、イケメンは絵になるのだからすごい。
忙しそうには見えるけど、幸いにも一人だ。
この際、鎌谷くんにも聞いてしまおうと思って、私は昨日借りた一冊の本を手に鎌谷くんの方へ行こうと席を立つ。
ところが、このタイミングで授業開始のチャイムが鳴ってしまい、私は思わずこの場に留まることになってしまった。
*
鎌谷くんに聞こうにも、なかなかタイミングが合わなくて何度も声をかけようとしては断念しているうちに、放課後になってしまった。
今日って、鎌谷くん図書委員の仕事あったっけ……?
今まで特別意識したことがあったわけではなかったから、鎌谷くんが今日図書委員として図書室に残っているかどうかわからない。
だけど、少しでも話せるチャンスがあるのならと、私は昨日借りた本を腕に抱えて席を立とうとする。
その時、まるでデジャブのように私の腕の中の一冊の本の中から、白い紙が一枚ひらりと落ちた。
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