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私は書記官として王国に身命を捧げている。これは疑いのないことだ。しかし今や愛すべき王国。尽くすべき王国の偉大な太陽は傾きつつある。
他国を圧倒する広範な領土を治める諸侯の不正が数多く現前し、早急な対応が求めらるはずなのに、不正当事者の諸侯と王家を支える4大大公家の合議制で動く諸侯会議の政治は、不正は野放にし、腐敗は進むばかり。これほどの不忠不敬があるだろうか?
陛下は既に認可の署名をするだけの存在になっておられる。私は陛下臨席の諸侯会議に同席したとき、まだ壮年の陛下がまるで操り人形のように虚ろだったことを見逃せなかった。出された法令や勅書を読まずに署名しているようにみえた。陛下は政治から逃避されている。
このままでは民心は離れ、貧しいものを増やし、やがて王家王国の根幹さえ危うくするのではないか。そう思えてならない。
今の王政へ疑問を記することは私が不忠不敬を問われかねないことだ。それでも記さねばならない。わたしなりの書記官としてのプライドであることを信じてほしい。
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