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なぜ目の前にキリンがいるのか。これは非常に難しい問題だ。
しかし自分の類い稀ない推理力が、まったく異なる視点で新たな見解を産み落とした。それは自分にとってあまりに斬新で、衝撃的な推理だった。その推理とは……
奴はもともと人間だったのではないのか?
はっきり言おう。馬鹿げているのはわかっている。しかし、こんな馬鹿げた状況に突然捕らえられてしまった自分にとっては、まんざら馬鹿げているわけでもない。むしろ、ある程度的を得ている仮説のような気もするぐらいだ。
つまり奴は、いつも自分のことを見下ろしているアイツは、もともと人間だったのだ。
高校生の名探偵が薬を飲まされ小学生になってしまったように、あの高校生も薬を飲まされキリンになった。
それならば、色んな不可解かつ奇妙な点にも納得がいく。
自分が知らぬ間にこんなところに連れてこられてしまったことも、知らぬ間に二足歩行が出来なくなったことも納得がいく。ただし、知らぬ間に毛むくじゃらにされてしまったことには納得ができない。
納得ができないという点では、もう一つある。
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