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「えーん、お母さん家に入れてよ、ごめんなさいー!」と泣いて謝っても奴は家には入れないし、コンビニにも入れない。
生きる上で必要なドアをくぐる事ができないのだ。
その理由をググることはできても、決してくぐることはできない哀れな運命。それが奴の、致命的な落ち度だ。
巨人が進撃してくるような町ならまだ入れるかもしれないが、それでもすぐに門は封鎖される。つまり奴がこれから生きていける場所や空間は、あの長い首のせいで限られるわけだ。見下しているのも今のうちだぞ、高校生。
薬を飲まされてどちらになりたいか。これで一目瞭然だ。首が長いことよりも、自分の方がまだはるかに生きる希望が見いだせる。
みなさんも一度真剣に考えてほしい。どちらを選びたいかと。首が長い方が良いのか、それとも毛むくじゃらの方がまだ良いのか。
なに、どちらも選びたくないだと?
馬鹿を言うな。俺はすでに毛むくじゃらだ。
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