転生したらパンダだった。

あなたは立派な四足歩行歩行者です。

あともう一つ、四足歩行になった場合に難しい仕事がある。

それは、モデル業だ。

雑誌しかりパリコレしかり、当たり前だが彼ら彼女らはみな二足歩行だ。優雅な立ち振る舞いの二足歩行者だ。

この仕事に自分が就くことはないと思うが、人生何が起こるかわからない。万が一、ということも考えておかなければいけない。

さてその時どうする？ 坂田はどうする？

以前の自分なら立ち振る舞いだけなら任務を果たすことができただろう。だが今は四足歩行だ。

四足歩行のモデル歩き。想像できるだろうか？ できたとすればきっとあなたは天才だ。

パリコレなんかで目の前のモデルたちが二足歩行で歩いていく中、いきなりステージに四足歩行の坂田が現れるのだ。

おそらく着ているオシャレな服なんかよりも、自分の体勢にフラッシュの嵐。悲鳴の嵐。ブーイングの嵐。たぶん同じ四足歩行のヤマアラシだけは、そんな惨めな自分ともきっと友達になってくれるだろう。

嫌だ。俺はまだ人間と友達になりたい。まだ人間を捨てたくはない。

何やらマイナス思考モードになってしまったが、だからと言って現状がマイナスかと言われれば、実のところそうではない。