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「俺の名前は坂田だ!」と叫ぼうにも、出てくる言葉は「うぇえへへへへ!」。これじゃあ酔っぱらいを越えて、ただの変態だ。
しかも何を血迷っているのか、そんな自分の醜態を見て、柵の向こうの人間たちは「鳴いた! 今、鳴いたよ!」と大喜びしている。これは新手のイジメか? 本当の意味で泣きたくなってくる。
ここはまるで地獄の牢獄だ。
あまりの屈辱感、そして圧倒的なスケールで生えた毛。わずか短時間の間に起こった様々な出来事が、自分の頭を激しく混乱させてくる。そのせいか、こんな見知らぬ檻に入れられる直前の記憶がまったく思い出せない。
これは、警察を呼ぼう。
わずかに残っていたまともな理性が、正当な選択肢を選んでくれた。
こんな状況から、今すぐにでも逃げ出してやる。
そう思って右手を動かしズボンのポケットに手を入れようとした瞬間、様々な違和感と、それにつられて確認した自分の身体の変貌ぶりに驚愕する。
うぇええへへへへ!
「ぎゃー!」と叫びたいのに、今の俺にはそれさえできないらしい。
いよいよ本当に助けを求めなければいけない心境に追い詰められる中、目の前では「パンダがまた鳴いたよ!」と、嬉しそうに写真を撮る見知らぬ人間たち。
地獄絵図だ。
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