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手始めにアメリカ船、次に、フランス船、オランダ艦と相手が外国船あれば砲撃を加えました。
現場指揮をとっていたのは、かつて松下村塾でライバル関係にあった久坂玄瑞達でした。
勿論やられた側もただで済ますはずもありません、アメリが軍艦が攻めてきて、長州側の軍艦をいとも簡単に撃沈、死者も出しました。
続いて押し寄せたのはフランス艦隊。
あれよあれよという間に、砲台は占拠され、大砲を使用不能の状態にしたうえ、近隣の村までおしよせ焼き討ちされる始末でした。
戦力の差を見せつけられた長州藩は、海峡防衛の責任者に晋作を指名します。
晋作は敗戦の原因を調べるうちに、一つの結論に行き当たります。
「武士は兵隊として役にたたん!」
最大の敗因は圧倒的な戦力差であるが、フランス兵が上陸した際、砲台を守る武士達のほとんどが逃げ応戦もしなかったことを知ったのです。
晋作は、思い立ったら行動の人です、下関の商人、白石正一郎と面談をして、白石を説きます。
「白石さん、僕はこれから攘夷を成すには武士だけの兵団では立ちゆかなくなると思う、農民や庶民、足軽を中心の軍隊を作るべきだと思っているのだ」
「左様で御座いますか」
白石は長州志士を金銭面で支えてきた謂わば、志士たちの大スポンサーであり、自らも志士として活動していた人でした。
だから、晋作が軍隊の話を持ちかけてきた瞬間から、幾らぐらいを要求してくるのかを計算していました。
「金も工面して欲しいのだが、白石さんには兵士の募集窓口になって頂きたい」
白石に兵員募集と採用を任せてできあがったのが「奇兵隊」です。
しかし、晋作が奇兵隊の総督であった期間は短く、数ヶ月後に奇兵隊と長州正規軍との小競り合いの責任をとって、あっさりその職を辞してしまっているのです。
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