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晋作が江戸に留学して一年後、松蔭は裁きを受けるため、江戸伝馬町の獄につながれます、晋作は獄につながれた師匠を想い、日用品の差し入れや、手紙のやり取りなどをしています。
一年とはいえ、師弟の絆は深く太かったのです。
やがて松蔭は、世に言う「安政の大獄」により処刑されてしまいました。
勿論松蔭の遺体は罪人として埋葬されました。
松蔭を想い江戸に駆けつけた弟子達は悲しみに暮れます、が、悪戯小僧がいい事を思いついたときのような顔をしている男がいました。晋作です。
晋作は「起こってしまった事をいつまでクヨクヨしていてもしょうがない」と、爽やかに言うと皆の度肝を抜く事を口走ります。
「先生の御遺体を取りに行くぞ!」
皆、一瞬何を言っているのか理解できませんでした。
「先生を罪人のまま土にしてたまるか!俊輔!桶を買ってこい!」
俊輔とは、伊藤博文の事です。
パシリに「焼きそばパン買ってこい!」ってなテンションで、棺桶を用意させると、皆を引き連れ松蔭先生の遺体を掘り起こしに行きました。
罪人の遺体を勝手に掘り起こし持ち去る。これだけでも立派な犯罪行為です、が、晋作が「やろう」と言うと、仲間達は何故か「よしやってやろう」という気になったそうです。 ここら辺もヒーローのヒーローたる所以でしょう。
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