行動の男 晋作

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行動の男 晋作

   2・行動の男晋作  その後もこの人のエピソードは尽きません、藩が購入した蒸気船で江戸まで向かったり。  しかも、乗員のほとんどが海軍学校を出たての者や何度か航海技術を学んだだけの者達による、素人に毛の生えた程度の集団による航海だったのです。  そこも、晋作の「やってやろう」に「この人が言うんだったら出来るだろう」と実行してしまう、しかも、途中嵐にあいながらも、江戸湾に無事船を辿り着かせてしまったのです。  時代は正にさ「桜田門外の変」直後。  晋作も、見聞を広げる為、佐久間象山、横井小楠などと活発に会談を重ねます。  そんな時期、藩命により晋作は上海に渡航します。  当時の清国は、アヘン戦争後で荒れに荒れて、清国人はイギリス人の奴隷のように扱われ、街には我がもの顔のイギリス人が闊歩していました。 「これは将来の日本の姿だ!このまま手をこまねいていれば、日本はイギリスかアメリカの俗国になってしまう」  同じ船で上海に渡った格藩の代表より、遙かにリアルな近未来を予想し、危機感を感じ取っていたのは晋作だけでした。  因みに、この上海渡航の際、晋作は二丁(一説には三丁)のピストルを購入します。 そのうちの一丁が晋作から坂本龍馬に進呈され、龍馬は暗殺されるその時まで、そのピストルを懐に忍ばせていました。  
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