侵される

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 だとすれば、俺は殺される為だけに捕まったというのか。そんな理不尽なこと、あっていい筈がない。  俺は涙にぬれながらも、抗議する様に女を睨みつけた。  けれど、女はそんな俺を見て、より一層嬉しそうに微笑むと、頬を紅潮させながらナイフを振り上げる。 「そうそう、その目よ。やっぱり、若い子はいいわねぇ。簡単に死なないし、何より直ぐ諦めないであがいてくれるもの! うふふ、堪らないわぁ。さぁ、もっとあがきなさい! あがいた分だけ、その抵抗が絶望に変わるのだから!」  女は興奮気味にそう捲し立てると、今度は俺の右の腿へとナイフを突き刺した。 「うわああああああ!!!!!」  俺は再度、絶叫を上げる。  しかし女はその手を止めることはなく、何度も何度も俺の手や足にナイフを突き立ててくる。 「あはっ……あはははははは!!!!!」  狂った様に笑い声を上げながら、ナイフを振り下ろす女。  俺はその凶刃から逃れようと、叫びながらも何度も身を捩る。  すると、ふと女の攻撃が止んだ。  見上げると、女がニタリと笑い、俺の上から身を引いていく。 「た、たすかった、のか……?」  
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