タバコ

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部屋を出て、ドアをそっと締める。 真冬の早朝は、コートを着ていても震えるほど寒くて、鍵を差し込もうとしても、カチャカチャとうまくいかない。 些細な物音でも目覚めるあいつは、そうやって起こされると、決まって機嫌が悪かった。 震える右手に左手を添えて、ようやく鍵を閉めることが出来た。
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