白い薔薇

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俺は、仕事で右足首を骨折してしまった。 明日、退院だ。しかし、リハビリに通わなくて行けないのだが……俺の心は浮かれていた。 何故って?こんなに綺麗な看護師さんに会えたんだから入院して良かったぜ! あれぞ!白衣の天使! なんて思う単純な俺。 「明日、退院ですね!」 彼女は嬉しそうに微笑んだ。 「寂しいっすよ!看護師さんに会えなくなるですよ?!」 「はいはい! そんな冗談、言ってないの。まだリハビリがあるじゃないですか」 「看護師さんの為に頑張ります!」 退院した俺は、毎日リハビリに通い松葉づえ無しで歩ける様になった。 そして彼女に会う為、入院していた病棟に顔を出す日々。 「リハビリ頑張ってるのね!」 「もう全然、大丈夫っすよ! 看護師さんとデートも行けちゃいます!」 「私、結婚してるから無理よ?」 「マジっすか?! じゃ、じゃあ……飯くらいいですよね?」 「本気で言ってるの?」 「ほ、本気!本気っす」 「ごめんなさいね。仕事も交替だから無理ね。もう少し、リハビリ頑張って!」 マジか……。 凹んだ。 けれど、諦めの悪さは世界一! そこ自慢する所じゃないか……。 気が付くと、仕事を終えた彼女の後をつけていた。 これじゃストーカーじゃねーか! いや!これは一途な恋だ! 自問自答しながらも、白衣から私服に着替えた彼女の後を追う。
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