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ー…そんなの。
「私が何回描いても、色を塗っても、全然追いつけないんです」
少し、懐かしい感覚な気がする。
あぁ、そうだ。
デビューする前、いろんな雑誌の漫画家さん達を見て、自分が思っていたことだ。
「そんなの、俺からしたら君はとてもカラフルに見えるよ」
さっきまで元気だったのに、急にしおらしくなって、寂しげになって。
この子は、今見せてくれた色以外にも、たくさんの色を持っているんだろう。
「ー…恥ずかしいことにね、俺の仕事机には今真っ白な紙が置いてあるんだ。」
興味本位だった。
深い意味なんてなかった。
ただ、答えがそこにある気がした。
「もし今君の目の前に、真っ白な紙が置かれたらまず、何を描く?」
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