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高校在学中にデビューを果たし、大学に入ってから始めた連載が軌道に乗り、一気に大人気作家にまで登りつめた。
単行本は累計600万部を売り上げ、深夜帯ではあるがテレビドラマ化もされた。
約3ヶ月前、その連載が最終回を迎え、充電期間として1ヶ月に一本程度読み切りを別冊に掲載していた。
もちろん、表紙や巻頭、カラー扉絵を獲得し、読者アンケートでも上位。
2週間前、担当との打ち合わせでそろそろ新連載のネタも練っていくという話になり、さあ何を描くかと意気込んで作業机に座ったものの。
ー…1度たりとも、ペンが動くことはなかった。
「真っ白だ」
次の打ち合わせは3日後。
未だ紙は、綺麗な白のまま。
「…真っ白だ…」
このまま何もネタが思い浮かばなかったら、漫画家としても、俺の人生自体もお先真っ暗だ。
ただそう思えば思うほど、俺の頭は何も浮かばなくなっていった。
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