カラフル。

6/14
前へ
/14ページ
次へ
ベンチに乗った落ち葉を払い、腰を下ろす。 コンビニ袋からさっき買ったビールを取り出して、プルタブを開けると、プシュッといい音がした。 「ー…うまい」 一口喉に通すと、炭酸が喉を通り抜けた。 まだ、酒を美味しいと思う余裕はあるみたいだ。 ー…あーあ 「平日の真昼間からなにやってんだか…」 公園には、遊具で遊ぶ小さな子どもたちと、それを見守る主婦たち。 それから散歩に来ているらしい老夫婦。 みんなそれぞれ、自分なりに目的を持ってこの場所にいた。 俺だけだ。 もちろん、わかってた。 こんな所で酒を飲んだところで、別に何も解決したりしない。 ー…それでも。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加