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俺は、誰かに救われたかったんだー…
「すみません!」
ー…目の前に、女の子が現れた。
「え…っ」
びっくりして、思わず缶ビールを落とした。
「あーっ!」
女の子は落ちた俺のビールを見て叫んで、
「ごめんなさい、ビックリさせちゃいましたよね!あ、これ買い直して詫びるので」
早口でそう捲したてた。
「いいよいいよ。そんな高いものでもないから」
「でも…!」
「いいって。それより…どうしたの?君誰?」
「あ、そうですよね!」
彼女は俺の言葉で本来の目的を思い出したようだった。
「すみません、この辺で筆箱見てないですか?」
「筆箱…?いや」
見てないけど、と言おうとした瞬間、隣のベンチの落ち葉の山の中に不自然な山を発見した。
手を伸ばして落ち葉を払うと、黒く細長いペンケースがあった。
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