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「お兄さん、なんのお仕事してるんですか?」
「…奇遇でね、絵の仕事をしてるんだ」
さすがに少女漫画家をしています、とは言えなくて少しぼかした。
すると、彼女はキラキラとした瞳を向けて、すごい!と笑った。
「へぇ!いいなぁ、憧れます」
「美大行ってるくらいだから、絵の仕事に就きたいんだよね」
「はい、そうなんですけど…私、ダメダメで」
彼女は落ち葉を払って、俺と少し距離を空けてベンチに座った。
「みんなすごいんですよ、キャンバスに描く線が、もう一本一本命を持ってるみたいに綺麗なんです。色もカラフルで、私の知らない色を沢山持ってるんです」
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