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どちからと言わなくても、平凡なあたし。 中学に入ってからはそれまでとは違う上下関係があり少し驚いていた。 そのときも好きとかではなく人気のある先輩に対して遠くからかっこいなぁーなんて眺めているだけのタイプだった。 そんな自分に彼氏が始めて出来たのは中二の終わりだった。 一年上の先輩の卒業式の前日… 各部活でのお別れパーティー的な物があった。 パーティーと言うほどの物ではなくみんなで集まっておしゃべりしてって言う簡単なものだけど… あたしは小学生の頃からブラスバンドをやってたので中学はいってからも吹奏楽部だった。 そのパーティーの後同じパーカッション担当の祥吾先輩に声をかけられ二人で話をした。 祥吾先輩に声をかけられたときはパーカスのことで何か言われちゃうんだろうなぁ…と少し凹んでいた。 でも祥吾先輩から出た言葉に驚いた。 『大野さぁー(あたしの事です。)好きな奴とかいるの??』 「へっ!?何ですか????」(頭がパニック) 『ずっと二年間一緒にパーカスの練習してきてかわいいなぁって思ってたんだよね。 俺と付き合わない??』 (何言ってるの??あたしがかわいい??先輩があたしのこと??) なんて思いながら固まっていたら。 『もも(同級生のみんなにそう呼ばれてました。)はパーカスの練習も一生懸命で本当にかわいいと思ってたんだ。 返事は明日の卒業式の後また部室に来るからその時よろしく。』 と言って先輩は帰っていった。 普段ももなんて呼ばないのに… なんてどぉでもいいことまで考えながら帰っていく先輩の背中を眺めていた。
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