隣に…

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31 一颯の目は 3年前の一颯とは 明らかに違う… 男になってきてる ドキッとした 「…好きになったら ダメだと思う… 社内恋愛に向いてないの私。」 「そんなの 付き合ってみなければ わからないじゃないですか?」 「私にはわかるの!」 …嫌なこと思い出した 一颯がまだ入社する前の頃のこと 「…静さん、もしかして?」 「言わなくていいよ… 自分でわかってるし 思い出したくないの…」 一颯はそれ以上聞いてこなかった… 沈黙があり… 私は食べ始めた… あの恋は辛かった… だって… 不倫だったんだもの… それに気がついたのは 後からだった… 私の前では 指輪を外していたし まさか 結婚してるなんて 思ってもいなかった 私はまだ 小娘で ただ好きすぎて 周りさえ 見えてなかったんだと思う… 唯一の汚点だ… 会社の人たちは 私たちが不倫してることさえ 知らなかった… 数ヶ月の付き合いだったけど… あの人が 転勤して 転勤先に行って 結婚してるって わかったこと… 思い出すだけで 胃の辺りが痛くなる せっかく 忘れてたのに… いや…心の何処かでは 覚えていたけど… 思い出したくなかった… 私は…食べながら 思い出してしまう… そして… 涙が自然と溢れ出した… ………
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