第1章

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騒がしい朝の下足室 「おはよう!」や「昨日の○○見た?」 なんて声が聞こえてくる。まあ、全て私には関係の無い事なんたが。 『おはよ!』 後ろからいつも通りのハイテンションな声が聞こえる。 「おはよ奏」 私が素っ気なく言うと彼はしょげた顔をいちいち私にアピールしてくる。 「なに?奏。そんな顔しても何も出てこないよ」 『えぇーいいじゃんいいじゃん。りっちゃんのお母さん言ってたよーりっちゃんにクッキー持たしたから貰ってねって』 「なんだお母さんから聞いてたんだ。で、りっちゃんって呼ばないで」 『りっちゃーん!おはよぉ』 「遥陽じゃん。おはよで、りっちゃんって呼ばないで」 『いいじゃんいいじゃんりっちゃん!』 高校一年生でりっちゃんなんて呼ばれるのは恥ずかしいに決まっている 「辞めてよ」 『りっちゃんが照れてるー!かわいー』 「か、からかうな!もうホントやめて」 『もう、教室行こっか』 「そーしよそーしよ」 止まっていた足を動かし始め、教室へと向かう 「でも、凄いね」 『なんで?』 「だって、私たち3人とも同じクラスじゃん。奇跡としか言い様がないじゃん」 『ほんとだねぇ』 遥陽はいつもおっとりしている。女子の間ではおっとりしてて可愛いとか言われてるみたいだけど私にはよく分からない。昔から一緒に居るからかな 『律?おーいりっちゃーん』 「え?」 『何ぼーっとしてるの?』 『そーだよ』 「そう?なんかごめん」 『りっちゃんってよくぼーっとしてる事あるよねぇー。おっとり系って言うの?』 「遥陽には言われたくない」 『えぇーなんでぇー』 「遥陽の方がよっぽどおっとりしてるよ」 『どうゆうこと?』 「...」 『ねぇーどうゆうこと?りっちゃーん』 『僕のこと、忘れてない?』 「あっごめん」 『もしかして、忘れてたの?』 「うん。」 『酷い』 『うーん』 遥陽はまだ、考えてたみたいで唸り声をあげる 「ふふっふふふ」 『なんで?なんで笑うの?もぉりっちゃん教えてよー』 『教室着いたよ?』 「遥陽うるさい」 『りっちゃーんひどーい』 「はいはい。」
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