「ぼくがかんがえたへいわなせかい」

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「ぼくがかんがえたへいわなせかい」

何を描いているのって? そうだね、何て言えばいいかな。 簡単に言えば、純粋で綺麗な世界。 みんなが平和に過ごせる、笑いながら人生を全う出来る幸せな場所。 自然が沢山あって、動物も沢山居て、誰も殺される事も無い安全な惑星。 それをひとつひとつ作って、理想の世界を作りたいの。 でもね、一つ駄目になったら全部消さなきゃいけないの。 何故かって? だって、一つでも汚れたら徐々に増えていくでしょ? 見つけたら徹底的に真っ白にしてやり直さなきゃいけないんだ。 何度も何度も挑戦してるんだけど、なかなか上手くいかなくて。 綺麗な世界って難しいよね。 一つでも汚れがあれば、すぐに伝染していく。 それが許せなくて、何回も作り直ししてるんだけど。 …ああ、駄目だ。またやり直しだ。 人間が木を伐採し始めた。 別の所では人を殺している。 命を与えれば、彼らは好き勝手しだすんだね。困るなあ。 気付けばあちこちでいらない事をするんだからね。 人に欲の感情を与えちゃ駄目なのかなあ。 次はちゃんと、平和な場所を作らないとね。 さあ、星の海の色に塗っていた画用紙を真っ白にしよう。 え?何もそこまでしなくてもって? 大丈夫、また塗ればいいだけだから。 さあ、真っ白にリセットしよう。 次はもっともっと、綺麗なのを作らなきゃ。
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