第1章

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虫けらや魚なら裁かれないというのか。そもそも人生は何のために存在するというのか。 少年の悩みが頭の中で爆発しかけたとき、彼は夢から覚めた。夢だったのだ。 その後の様子を父親がつぶやく。「汗びっしょりで寝ていたから、悪夢でも見たんでしょうかね。でも不思議ですよ。あれほど幼い時から『ノーベル賞を絶対に取る』と公言していた息子が、あの日以来勉強もやめちゃって、何も言わなくなったんです。どういう心境の変化ですかね」 あの不思議な檻の夢は、少年から熱意と野心をねこそぎ奪い取った模様である。
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