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顔合わせはサークルが部室として使用しているという校舎の裏手にある体育倉庫で行うとのことだった。
へたに学校内の応接室みたいな所に通されるよりかは何倍もマシだったが、それにしても体育倉庫が部室ってどういうことだ。
ちょっと気になって聞いてみたところ、体育倉庫と言っても今はもう授業などでは使用されていないため、そこは何年か前から舞台で使う大道具小道具の置き場になっており、そのせいでいつの間にかサークル部員のたまり場と化していったらしい。
その後利用頻度の関係上、だったらついでにこの倉庫をそのまま部室として正式に登録して利用許可を得てしまおうという話が持ち上がり、最終的にそこはその演劇サークルの正式な部室に決定したとのことだった。
「……ってか、ふざけてんのか、これ」
想像していたよりずっと広々としたスペースに、どこの豪邸のリビングかというほど豪華な応接セットが並んでいる。
案内してくれたサークル部員の説明によると、これらのセットは三年ほど前に演じたシェイクスピアか何かの舞台の際に集めたセットらしく、それをそのまま配置してリアル応接室を作り上げたのだということだった。
「加賀はちょうど今、事務室で休学届の手続きをしていまして、終わり次第こっちに来るようです。申し訳ありませんが今しばらくお待ちください」
波崎と名乗ったサークル部員はそう言って俺達にソファを勧め、熱い紅茶まで入れてくれた。
まさに至れり尽くせりだ。
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