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「いい加減、姿を見せてくれ。これじゃあ死んだガイツゥアンに殺されちまう」
まあ死んだ人間に殺す手段があればな。男は苦笑いをしながらこちらに近づいてくる。
「本体も近くにいるんだろ?2PACみたいな特殊生物に長時間取り続くには大体3mぐらいの近距離にいないと出来ない、そうだな?」
どうやら手の内を知られているらしい。男は周りに住人がいるにも関わらずゆっくりと剣を抜き首元にそれを持ってくる。その目には躊躇いが無く、何度も見た"お前を殺す"という意思がこもっていた。なるほど、どうやら脅しではないみたいだな。
「ひ……とつ………き……たい………」
「何だ」
「な………しっ………てる………」
「お前……いやお前らか、一回もトイ城に来たことないだろ。あっちの嬢ちゃんは日に焼けてるのが分かるから多分南の方に長期間いたのは分かるがお前さんはこうなる前のトイ城に来ることが出来たはずじゃないのか、ん?」
その通りだった。ガイツゥアンという下っ端がいるから別に大丈夫だろう、そう思ってずっと別の現場に取り掛かっていた。
「それであーだーこーだー言う訳じゃないがガイツゥアンは一人で事件が起きてる間のハルオンを駆け巡り、ペットの動物やらそこら辺にいる猫やらをまとめて救助したのさ。すごいだろ?あれぞ本物の英雄だぜ。おかげで今ここにいるのは人よりも動物の方が多いけどな」
確かにその情報は真実だ。当時あの周りには上の階級の調査員は誰も付いていなかった。緊急会議があったのだ、けれどこれには当然下っ端の連中も含まれているのだが……。
「ああ、あと調べたところによるとあの緊急会議はフェイクだったろ?呼び出されたのにリーダーのハンダインはその場にいなかったみたいだしな」
これまたその通りだった。何故調査員たちしか知らない情報をこの男が知っているのだろうか。調べた?どうやって?調査員の連絡は基本的に森にいる………。
(そういうことか……)
ハンダイングメル、それはハンダインが発見した2PACであり調査員の連絡手段だ。どこの森にもいてカミキリムシのような見た目をしているから子供に捕まえられている所をよく見る。それが発する特殊な光はハンダインの魔力に過剰に反応しそれは伝播して30km先の森にまで届くので連絡手段として使用されている。
「まあそういうことだ、じゃあ死んでくれ」
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