ずるい交換条件

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ソファに座ったままぼんやりと思い出すのは昨日の夢のような出来事。 一夜明けた今日も鮮明に昨日のことを思い出せる。 もしかして昨日の出来事は夢だったんじゃないかと朝起きた瞬間は感じたが、テーブルの上のタクシー代の残りのお金がそれは現実であったと告げていた。 そんなまだ夢現の狭間にいた私の頭を覚ますかのように突然スマホの着信音が鳴り響く。 慌てて誰からか確認するとそれは里奈からのものだった。 「おはよ、り──」 『ねえ何よあの連絡の意味は』 私の朝の挨拶を聞く前に里奈はいきなり本題を提示してきた。 昨日の夜、私は里奈に夢のようなあの出来事があったことを連絡していたのだ。 詳しくは話していなかったが、あの素敵な常連さんの名前を知ってしまったと。 『昨日のバイトで何があったのよ。ちゃんと聞かせて』
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