異形の軍勢

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マスタールーム フォレストドラゴンとの盟約を締結したアイリスとミリアリアは洞窟を出た後にダンジョンへと戻り、待っているライナ達に経緯を説明する為にマスタールームの前へと転位した。 「……そ、その、さ、さっきはすまなかった、だ、大丈夫、か?」 洞窟を出るまでの過激なやり取りと道程を思い起こしたミリアリアは、真っ赤になりながら傍らのアイリスに声をかけ、アイリスは頬を仄かな桃色に染めながら言葉を返した。 「……フフフ、魔王なのにもう少しで陥落させられちゃう所だったわ、悪戯されたのが背中や御腹、腰だけじゃ無かったら貴女に夜這いされちゃう前に陥落させられちゃったかもね」 「……っぐっ」 アイリスはそう言いながら豊かに隆起する双丘と臀部に手を添え、言葉に詰まったミリアリアが真っ赤な顔になるのを愛しげに見詰めた後に言葉を続ける。 「……それじゃあ行きましょう、皆に説明しなきゃいけないわ」 「……っあ、ああ、そうだな」 アイリスの言葉を受けたミリアリアはそう答えると火照る頬と喧しく鳴り続ける心臓を落ち着かせる為にゆっくりと深呼吸を行い、アイリスはそれが終了するのを待った後にミリアリアと共にマスタールームに入室して留守を守っていたライナ達の出迎えを受けた。 ライナ達の出迎えを受けたアイリスとミリアリアは魔龍となっていたフォレストドラゴンと盟約を締結した事を伝え、予想の斜め上を行く事態の展開にリーナとアリーシャは苦笑を浮かべながら口を開いた。 「……フォレストドラゴンが魔龍になってて、魔龍を同盟者(フェデラートゥス)にしちゃう、ある意味アイリス様らしい展開よね」 「そうだよね、アイリス様らしい予想外の事態が続き過ぎて、少し感覚が麻痺しちゃいます」 「……あら、その話を聞いているとあたしがまるで珍獣みたいに聞こえちゃうわね?」 「……いや、実際問題魔王と言うだけでも特異な存在なのに女性の魔王でしかもこれだけ予想外や規格外な行動を連発されるとそう思うのも仕方無いと思うんだが」 リーナとアリーシャの驚きと呆れが相半ばした感想を聞いたアイリスが楽しげな表情で傍らのミリアリアに問いかけるとミリアリアは苦笑と共にそれに応じ、アイリスは楽しげな表情で小首を傾げた後に表情を鋭い物へと改めながら口を開いた。
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