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「捕虜を救出出来たら屑どもにもこんなチャチな陣営に用は無いわ、フォレストドラゴンのブレスとあたしの魔法攻撃とモンスター達の包囲攻撃で右往左往してる連中を思う様に蹂躙するの、叩いて、叩いて、叩き尽くしてやるわ、全てが灰になるまでね……」
そう宣言するアイリスの表情に浮かぶ笑みは魔王の笑みに相応しい凄絶な物であったが、ミリアリア達はその笑みに気圧される事無く(内心は若干ドン引き気味だったが)魔王の笑みを受け止めた。
作戦の概要を説明し終えたアイリスは本隊の出撃を命じ、それを受けたライナ達は敬礼した後にフォレストドラゴンの所へと駆け寄りその背中に跨がった。
……では行くとするか、上空(うえ)で待っているぞ魔王アイリスよ……
ライナ達を乗せたフォレストドラゴンはアイリスに視線を向けながら語りかけ、アイリスが頷く事で応じているとその背に跨がるライナ達が敬礼を送ってきた。
ライナ達の敬礼を目にしたミリアリアは即座に答礼を返し、それを目にしたアイリスも見よう見まねで答礼を返しているとフォレストドラゴンが巨大な翼をゆっくりと羽ばたかせて上空へと浮かび上がった。
フォレストドラゴンはゆったりと羽ばたきながら上昇し、ミリアリアがそれを見上げているとその鼓膜をアイリスの声が揺さぶる。
「……後悔、しない?」
その声を受けたミリアリアはアイリスに戸惑いの視線を向け、アイリスは上昇するフォレストドラゴンを見上げながら言葉を続けた。
「……貴女を護りたいと言う言葉は嘘じゃない、でも、あたしは魔王なの、貴女を護る為なら、あたしは決して容赦しない、敵は容赦無く踏み潰し、叩き潰し、蹂躙し尽くし、焼き尽くす、貴女を護る為なら屍山血河を築く事すら厭わない、貴女が嫌だと言っても止まらない、貴女に鬼畜と罵られても止まらない、貴女がもう止めてくれと懇願しても止まらない、だってあたしは魔王だもの、あたしは魔王としてあたしがやりたいように貴女を護るの……ッキャッ!?」
上空を見上げながら告げるアイリスの身体は微かにだが震えており、それを目にしたミリアリアは無言でアイリスの傍らに近寄ると笹穂耳まで真っ赤になりながらアイリスの肩をつかんで魅惑的な身体を抱き寄せ、突然の行動に思わず可愛らしい悲鳴をあげながらしがみついてきたアイリスを真っ赤な顔で見詰めながら口を開いた。
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