2.

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沈黙が、数瞬流れた。 宇賀神がククッと笑って、その沈黙を破る。 「大事にしてやれ」 あんなに楽しそうなお前は初めて見た。 彼はそう言って、こっちもびっくりしてフリーズしてる川嶋の腰を抱き寄せた。 そのまま、ひょいと腕の中に抱き上げる。 「龍!ちょっと…下ろして」 じたばたする川嶋のことはガン無視で、高原に軽く肩を竦めて見せた。 「休みを邪魔して悪かったな」 そして、桜田を見た。 「高原を、俺の大事な弟分を、よろしく頼む」 鋭い、だけれども、威圧的なものは全く含まれていない瞳。 さっきまでとは全然違う、深い情が含まれている視線だ。 高原の一言で、彼を身内とみなしている。 桜田は、その瞬間、わかった。 この人が、高原が命を賭けて守ると決めている人だ。 その背中にある美しい昇り龍は、この人の姿そのものだ。 その龍は、最後にこう言い残して、道場を後にした。 「できたら、今後もアキとも仲良くしてやってくれ」 こいつ、友達いないから、頼む。
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