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リョウさんの新しいアルバムが2巡目に入ると「着いたよ」とリョウさんの左手が離れハンドルを握り、高層マンションの地下へと車を滑り込ませた。
「今はここに住んでる」
リョウさんが私の手を握り、エレベーターに乗るとその手を引き、今度は私の腰に手を添えた。
何がなんだか分からないまま、招き入れられるままリョウさん部屋へと足を踏み入れた。
「座って」
20畳ほどあるリビング。
そこにある黒張りのソファーへ腰を沈めた。
「何か飲む?」とキッチンへ向かうリョウさんの背中に「大丈夫です」と素っ気なく返した。
早くしないとありったけの勇気が底を付いてしまう。
何時ものようにリョウさんに流されてしまう。
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