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「リンに出逢っちゃったからね」
フッと何かを懐かしむように優しく微笑む。
だけど、その視線は私には向けてはくれない。
「2年伸ばしてもらったんだ。向こうのワガママで行くんだから、俺のワガママも聞いてもらった」
「……」
「で、考えた。どうすればリンが俺から離れないか。どうすればリンが俺を忘れないか」
「それなら、好きだから……待ってろって……一言言ってくれたら」
思わず掴んでしまったリョウさんの腕の私の手を、リョウさんがそっと離す。
「それじゃ意味がない」
「意味ならあるじゃないですか。言ってくれたら、私は待ってましたよ。リョウさんが帰ってくるまで……」
言ってくれていたら、リョウさんが居なくなってしまった不安や淋しさを感じずに居たのに。
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