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取材も終盤に差し掛かった時に佐々木さんが「後から息子も合流することになってるんだけど、構わないかい?」と遠慮がちにたずねてきた。
「息子さんですか?」
「あぁ」
彼に息子なんて居た?
相場に渡された資料を頭の中で思い出す。
でも、いくら思い出しても”息子”と言うワードは出てこない。
「オフレコなんだよ。息子のことは」
彼は人差し指を口元に当て笑った。
「オフレコなのに良いんですか?」
クスッと笑って彼を見つめた。
「そろそろ頃合いかと思ってね」
「頃合い、ですか?」
フッと彼の視線が下がる。
ちょっと切なそうな顔が、何故か私の中で『先輩』を思い出させた。
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