773人が本棚に入れています
本棚に追加
色素の薄い
透き通るような白い肌。
茶色の長めの髪が
窓からさす光に反射して輝く。
昼休みのこの時間は誰も音楽室に来ない。
『先輩』と私だけ
二人だけの時間。
『先輩』が奏でる旋律は、いつも胸の奥が息苦しくなる。
その息苦しさに耐えられなくて『先輩』と呼べば、薄茶色の瞳は私だけに向けられる。
『リン、おいで。遊んであげる』
『先輩』が左腕を出し、私は引き寄せられるように『先輩』の腕の中に簡単に閉じ込められてしまう。
抗うことの出来ない引力……ーー
最初のコメントを投稿しよう!