volume1

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自分のデスクに座れば「編集長っていつも怒鳴ってますよね…」とびくついている宮間(まの)の反応が懐かしく感じる。 「仕方ないよ。入稿ってお昼まででしょ?」 馬場さんを擁護するような言葉が出るのは、入稿の大切さを嫌と言うほど知っているから。 そして何より「朝比奈(あさひな)!ちょっと来い!」と私を呼ぶ馬場さんが一番仕事量をこなしているのを知っているから。 「朝比奈さん…大丈夫ですか…馬場さん呼んでますけど」 「大丈夫だよ。宮間も怒鳴られたくないなら仕事しなよ」 軽く宮間の背中を叩き「今行きます」とカバンからパソコンだけ取り出し、馬場さんのデスクへ向かった。
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