白い目の君

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ざわざわ...ざわざわ..... 教室がいつもより騒がしい。 「男子だと思う人~!」隣で隼人(ハヤト)が大声で叫ぶ。 今日は転校生が来る。女子か男子かまだ知らされていない。 「女子でしょ?」教室で一番うるさい女子、梨々香(リリカ)が隼人に叫び返す。 「絶対男子だ!」「女子だよ!」 また始まった、隼人と梨々香はいつもケンカする。 まあそれが3組の良いところなんだけど。 3組は学年の中で一番成績が悪い。だけど、どのクラスより元気で、仲良しだ。そんな3組が僕は大好きだった。 「男子だと思うよな?和希(カズキ)!」隼人が僕に聞いてきた。 「え...あ.....うん」僕は慌てて頷く。 「ほら、天才がそう言ってんだから!」 僕は頭がいい。頑張れば百点だってとれる。そのため、この教室では隼人以外、全員僕のことを先輩と呼んでいた。 「先輩!女子でしょ!」梨々香が僕に文句を言ってきた。その時ちょうど、教室のドアが開いた。 「席に座れー。」担任の田中先生が入ってきた。 「先生ー!転校生は???」隼人が先生の声に負けないくらい、大きな声で言った。 「少し待て...」先生は朝から、元気いっぱいの隼人にあきれていた。 みんな、席に座りながらそわそわしていた。 僕もドキドキする。誰だろう?男子だったら、一緒に遊びたい。女子だったら、優しい子がいいな。 「小泉(コイズミ)さん、入ってきて下さい。」 ドアが再び開き、黒髪で長い髪の女の子が入ってきた。美しいという言葉が似合う子だった。 彼女は黒板の前で止まり、こっちを見た。 僕は思わず、叫びそうになった。目の黒い部分がない!白い...。 僕は助けを求めるように隼人を見た。隼人はその子に見とれていた。あれ? すると、白い目の子が喋りだした。 「はじめまして、小泉 光(ヒカル)です。」 緊張しているのか、震える声でその子が言った。 「可愛い!」「はじめまして!」「男子じゃなかった...」いろんな声が飛び交う中、そっと隼人に言った。 「目がさ...」すると隼人は、「可愛いよな、和希...」と言った。 「白い...って」 隼人はこっちを向き、不思議そうな顔をしながら言った。「目が白いってなんだよ」 「え...その.....」 他の人を見てみる。みんな笑顔だった。あれ?僕がおかしいのか?それとも、僕にしか見えてないのか? 僕は一人で頭を抱えた。
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