2 禁じられたキス

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 梶谷は問う遼太に、無言のままにあごでテーブルを示した。 上がり込み、スマートフォンを取り上げた遼太の背中に向かって、梶谷が話し掛ける。 「江利奈から、電話があった」  振り返った遼太の表情は顔色は、分かりやす過ぎる程あからさまに、変わっていた。 「おれが出たのに、全然気付かなかった。夫の声だっていうのにな。江利奈におれたちのこと、話したのか!?」  梶谷が力任せに遼太の手首を掴んだために、遼太が手にしていたスマートフォンは弾き飛ばされた。 コタツ布団の上に、音もなく落ちる。 「おまえ、一体どういうつもりで!」 「違う!違うんだ!」 問い詰める梶谷の剣幕が凄まじいのも然ることながら、応える遼太もまた必死だった。 梶谷は初めて見る形相で、聞く大声だった。  しかし、それだけでは到底納得が出来ない梶谷は続けた。 「どう違うんだよ?」 手首を掴まれたままの遼太は、せめて視線だけでも梶谷から逃げたいのか、顔を背けた。  そんな遼太を梶谷は許さない。 「遼太、答えろ!」  更に、手首を掴む手の力を強められた遼太は観念したのか、梶谷へと向き直った。  俯きながらだったが、ゆっくりと口を開く。 「・・・前に言ったよね?姉ちゃんに頼まれたって。その通りだよ」 「え?」     
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