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何時もはけして、遼太が触らせようとはしない下肢の欲望の在り処に、梶谷は触れる。
ジーンズ越しにもかかわらず、遼太は声を抑えることが出来なかった。
よろめく足付きで梶谷の胸の中から逃れた遼太は、落ちていた自分のスマートフォンを拾い上げた。
思った通り、電源は切られていた。
梶谷へと振り返り、遼太が言う。
「姉ちゃんに、連絡だけさせて・・・怪しまれると困るから」
「それはおれも困るな。」
口ではそう言いながら、梶谷は遼太の体を後ろから抱きしめた。
「航介さん?」
「ホラ、早く江利奈に連絡しろよ。見ててやる」
肩越しに手元を覗き込んでくる梶谷の熱い昂りを、尾の名残りの骨に遼太は感じた。
震える指先で、姉に電話を掛けた。
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