央寺くんの条件

24/28
452人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ
『そういえば昨日の試合、せっかく“頑張って”って言ってもらったけど、僅差で椿坂に負けた』 「そうなんだ……」 『で、顧問同士が話したらしくて、毎週金曜に合同練習することになって、そっちの椿坂の体育館で……』 「知ってる」  私は昼に殿村くんに聞いたことを思い出しながらベッド横に敷いているラグに座り、そのままベッド頭だけに寄りかかった。 『え? 知ってるって…………あぁ、もしかして、例の気になってる人もバスケ部だったっけ。その人に聞いた?』 「うん……まぁ」 『……へぇ』 「…………」 『…………』  てっきり、明日美さんみたいに“誰?”とか“名前、何?”と聞かれるかと思っていたけれど、央寺くんは黙ったまま何も言わなかった。かと言って、聞かれて“殿村くん”の名前を出したところで、悪評が柊ヶ丘のバスケ部にまで伝わっているらしいから、迷うところでもあるのだけれど。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!