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「……うん」
本当に胸が苦しくなって、横たわりながら央寺くんのほうへ向けていた顔を、ソファーの背もたれのほうへうずめる。今日、バイトに集中できなかったのは体調のせいじゃなくて、考え事のせいだったと、しかも、央寺くんのことを考えていたからだったとは、とても言えなかった。
結局理由はどうあれ失態は失態なのだし、当の本人にそれを言ったところで、だからどうしたという話だ。央寺くん自体が何かおかしなことをしたわけでもなんでもないのに、私だけが思い悩んでいるだけで……。
「あ、もしかして、辞めるって話を前もってしてなかったから、怒ってる?」
その時、央寺くんが突拍子もなくそう言った。私はたしかにそう思っていたこともあって、肯定も否定もできず反対側を向いたまま無言のまま。結果、央寺くんは私の反応を肯定と受け取ったようだった。
「ごめん。なんとなく言うタイミング逃して。辞めても店にはCDとか借りにくると思うし」
私の機嫌を直そうとしているのか、央寺くんは言いわけみたいなことを言う。けれど、やっぱり私は何も言えなかった。
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