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ギッとパイプ椅子の音が響き、沈黙が流れる。
私は、央寺くんがさっき店長に言っていた、送っていくという言葉を思い出し、
「少し休んだらもう大丈夫だろうから、いいよ? 帰って」
と伝える。
けれどもすかさず、
「今日はもうバイト終わってるし、この後の予定もないし、バス停までは送っていくよ。嫌かもしれないけど、そのくらい我慢して」
と返された。
「い……嫌とか言ってない」
「“好きじゃない”だけで?」
腕組みをしてそう言った央寺くんの顔は、ちょっと皮肉っぽく笑っていた。
昨日のことを言っているんだとわかった私は、
「あの、それは……」
と言い淀み、その後に続ける言葉が見つからずに口を噤む。
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