二度目のラブレター

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 私は、頼子の目を見つめながら、ようやく、 「……うん」  と返事をすることができた。 「あ、ちょっと待ってね。もし殿村くんが好きとか言われたら、さすがに困るけど。それに応援しようも……」  眉間を押さえ、本気で悩んでいる素振りの頼子に、ふっと心がほどけると、 「何? 俺が何って?」  と、渡り廊下から声が聞こえる。 振り返ると殿村くんがいて、 「いやー、やっぱ男前だな、今町は」  と腕組みをして感心しながらこちらに向かってきた。 「うわ、最悪。ほら、こんなふうに平気で盗み聞きできるような男、ろくな男じゃないわ。和奈、こんなヤツに想いを寄せるなんてバカなことは……」 「違うの」  聞いてほしい。私は、初めてちゃんと頼子に相談しようと思った。 「殿村くんじゃなくて、央寺くんが好きなの、私」  固まる頼子と殿村くん。 その後「へぇ」と言って面白そうに微笑んだ殿村くんの隣で、頼子が、 「央寺って……誰よ?」  と顔をしかめた。
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