二度目のラブレター

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すると、すぐそばまで偶然歩いてきていた央寺くんがいた。 そして、殿村くんが指を差しながら、 「央寺ね」  と声に出したものだから、央寺くんが眉をひそめて足を止める。 私と頼子を見た後で殿村くんへと目を移し、タオルで汗を拭きながら 「……何?」  と、不機嫌そうに睨んでくる。 こんなに不愛想な央寺くんは初めてだ。あんなことがあった後だから、もしかしたら私に対して怒っているのかもしれない。  体育館になんて来なければよかった。 そう思っていると、殿村くんが、 「ごめんごめん、指を差すのは失礼だった」  と央寺くんに謝る。 「何か用?」 「和奈ちゃんと同じ中学だったんだってね。この前はナンパと間違えて悪かったよ」  そう言った殿村くんに、央寺くんは何も言わない。私は、昨日頼子のみならず、殿村くんの前でも彼の話をしてしまったことを悔いる。何か変なことを言いださないかと、と動悸で眩暈がしそうだ。
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