二度目のラブレター

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 央寺くんは何も言わないまま、トイレへと足を進めようとした。 すると、殿村くんがすかさず、 「ねぇねぇ、この後の練習試合、何ポイント分シュートできるか勝負しようよ」  と言って呼び止める。 央寺くんはまた、怪訝そうな顔をした。 「なんで?」 「うーん……好きな人の前では、かっこいい自分を見せたいから?」 殿村くんは何を言っているのだろう。 これ以上変な空気にしたくない私は、慌てて、 「きゅ、休憩時間なくなるよっ」  と会話を遮った。 その声で、一瞬だけ央寺くんと視線が交わる。私は、その冷ややかな目に胸を刺された気がして、動けなくなってしまった。結局、央寺くんは私には何も言わず、殿村くんへの返答もしないまま、トイレに入ってしまった。  私は一歩後ずさりをして、頼子にぶつかる。 「央寺って人、いつもあんな感じ?」
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