二度目のラブレター

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 今になって手が震えてきて、胸の上でその手を重ね、きゅっと握る。ほかにお客さんがいないかと周りを見回すけれど、誰もいなかった。 「あの……でも……」 「つーかさ、店を出てもいないのに、そんないちゃもんつけてくるってどうなの?」  一歩後ずさると背後はもう棚で、頭が陳列されたケースに当たった。ずいっと顔を覗きこまれ、私は首をすくめる。 「客をバカにしてんの?」  至近距離で睨んでくる男の目を見て、背筋が凍ったかのように動けなくなってしまった。 「……あ……」  どうしよう……怖い……。誰か……。 「お客さま。失礼ですが」  その時、男の背後から声が聞こえた。  肩に手を置かれ、 「あ?」  と言って振り返る男。  そして、その肩越しに、真剣な顔をした央寺くんが見えた。
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