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「じゃーん! 見て、和奈ちゃん。俺、七色そろった」
昼休み時間、ひとりで食べたお弁当を片付けていると、殿村くんがすべてそろったお守りストラップを見せびらかせにきた。
「よかったね」
「一年の女子にプレゼントされてさ。もう、嬉しくてハグしちゃったよ。いやー、いろんな人に頼みまくっててよかった」
本当に嬉しそうな殿村くん。私は、その1年の女子に対しても、よかったと素直に思えた。私が央寺くんに手渡したいという気持ちと、きっと一緒だからだ。
「あれ? で、今町は?」
「あー……頼子は……」
誤魔化すように笑うと、
「もしかして、先週の金曜のアレから、ずっと話してないの?」
と察しよく聞かれる。
そう、あの日からもう一週間経っていて、今日は木曜日だった。
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