二度目のラブレター

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 教室の入口に立っていた頼子も、こちらを見ていた。かと思うと、ツカツカとこちらに歩いてきて、あっという間に殿村くんの横に立ち、彼の頬をすかさず平手打ちする。 「いってっ!」 「そういうことをやっていい女とやったらダメな女くらい、判別できるでしょ? バカなの?」  殿村くんを平手打ちできて、バカ呼ばわりまでできるのは、頼子くらいだろう。でも、頼子は今までで一番怒っていた。歯を食いしばり、もう一度殿村くんを叩こうとしているのか、右手を弓のようにしならせて構える。 「頼子っ! 殿村くん、わざとだよっ! 私と頼子を仲直りさせようと……」 「わざとだとしても、だからこそダメでしょ! 」 「いてっ、痛ぇーってば、今町。ごめんて」  今度は腕に拳が入り、殿村くんは両手をあげて降参のポーズを取る。教室にいる全員が、こちらを見ていた。でも、もうそれどころではない。 「わ……私が自分から動けないから、だから気を使って……」 「来なさいっ、和奈」
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