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昨日のことだった……。
夜も更けた午前2時頃。おれは友人と電話をしながら談笑に耽っていた。アルコールもかなり入っている。友人と話しながら4回目のアルコールを補給するため、台所に出た時だった。なにか物音が聞こえた。おれはたいして気にかけるわけでもなく居間に戻った。そして我が目を疑った。
見ると居間にちょこんと正座する真っ黒なスーツに身を固めた同年代の男がいた。当然おれはのけぞって絶句するばかりである。するとその男は
「ど~も~。おどかしちゃって申し訳ありまあせん。みなさんいつも私が入ってくると驚かれるんですよ。ほんとすいませ~ん」
とフレンドリーに話しかけてくる。おれはコメディー映画の主人公さながら答える。
「あの……どちらさま?」
「あ~私食料調査をしております。今度この辺一帯をまかされましてね。それでyuu太郎さんの家にも調査にきたわけなんですよ~」
「は…はあ。こんな夜中に?」
見ると彼の髪の毛にはポマードがびっしり塗られている。おれは彼の笑顔の裏になにか空恐ろしいものを感じていた。
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