like like like 逃げるが勝ちさ

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 男女の違いはあるけど同じバドミントン部、同じ方向に帰る彼と、周りに誰もいないときは隣で歩いた。  どうして周りに誰もいないときかなんて決まっている。中学生の男女が二人並んで帰れば、どうしたって彼氏彼女に見られるだろうから。 「やっぱそれは面倒くさい」  そうだろうな。  だけどこの私が彼に遠慮するなんて、それこそナンダカメンドクサイってある日思ってしまったのだ。  だって幼稚園から小学校までは私が気を使っていたんだもの。独りでいる彼に優しい気持ちで話しかけるのは私の役目だったよね。  コウちゃんも周りから外れている。小学校の時から今も。 「ぼっちの年期は俺の方が長いからな。こういうときは、ちさとの好きにすればいいんだよ」  そうかい、それなら遠慮なく私の好きなようにさせてもらうよ。  独りは辛い、寂しいよ。だからコウちゃんを追いかけて一緒に帰る。そこに会話なんてなくたっていい。お互いの足音だけで十分だった。
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