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私は拍子抜けしてしまった。けれども、まだ頭の中の整理はつかなかった。央寺くんに待っていてと言われ、明日美さんと計画の確認をするのを眺めながらも、ずっと首を傾げていた。
話が終わって別れ際、明日美さんは、
「そういえば、律、昨日手首痛めたって? 大丈夫なの?」
と央寺くんに聞いた。
「あぁ、今日病院行ったけど、たいしたことなかった」
ぶっきらぼうに返した央寺くん。明日美さんは、
「関谷が行ってたけど、椿坂の選手とシュートポイント勝負したんでしょ? 大人げないし無理したらダメよ?」
と、さすが元マネージャーらしく説教している。
……手首を痛めた? シュートポイント勝負で?
「あと、姫野さん」
「はいっ」
「明日のバイトの時、いろいろお話しましょうね。いろいろ」
「……はい」
「いろいろと」と強調して、少し怖い笑顔を作る明日美さんは私の肩をポンと叩き、
「それじゃ、私こっちだから。バイバイ」
と手を振って表通りへと歩いていった。
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