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二度目のラブレター-2
着替え終えて裏出口から出ると、そこには央寺くんが外壁に寄りかかって待っていた。
驚きつつも、お礼をちゃんと言えていなかった私は、
「ご……ごめん、央寺くん。助けてくれて……ありがとう」
とようやく頭を下げる。
「店長に話と挨拶してから帰るから……」
そう続けると、
「店長には俺が話したし、姫野は俺がバス停までそのまま送りますって言ってある。まだその辺うろついてたら、怖いでしょ?」
と返し、外壁から背中を離す央寺くん。
優しい言葉のはずなのに、なぜか声色が硬いように感じる。貧血で倒れた先週に引き続き、今日も迷惑をかけてしまった。
私は、
「あ……」
と言ったまま申し訳なさで俯き、小さな声で「……ごめん」と謝る。
そして、そういえば、央寺くんはなんでお店にいたのだろうと、ふと思った。
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